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「鹿肉のガパオ風」=2024年9月8日午前11時24分、大分県豊後大野市、徳山徹撮影
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 大分県豊後大野市で8日、野生鳥獣の食肉「ジビエ」を使った料理コンテストが開かれた。「有害鳥獣」として捕獲した動物の命を無駄にしないようにと、県内の女性猟師でつくる「大分レディースハンタークラブ」(OLHC、広畑美加会長)が催した。

 OLHCは2016年に16人の女性猟師で結成し、現在は40人。コンテストは公民館の調理室であり、メンバー3人が仲間らと自慢のレシピ通りに腕をふるった。

 広畑会長(大分市)が考案した「鹿肉のガパオ風」は、シカ肉とパプリカなどを炒め、ナンプラーやホーリーバジルで味付けしたエキゾチックなテイスト。

 本多鈴美さん(宇佐市)の「猪(いのしし)と椎茸(しいたけ)のうまみたっぷり我が家風ルーローハン」は、すり下ろしたナシとイノシシ肉を合わせて寝かせ、タマネギなどと煮込んでご飯にのせた。肉の柔らかさとほのかな甘みが舌に残る。

 「夏のピリダレイノシシ」を考案したのは後藤美智子さん(大分市)。塩コショウでイノシシ肉を炒め、刻んだオクラを絡めるシンプルな一品だ。

 審査員は管理栄養士で料理教室を主宰し、ジビエ料理に詳しい倉原恵子さんら2人。審査の結果、広畑会長が金賞、本多さんが銀賞、後藤さんが銅賞を受賞した。3品は12月~来年2月に開かれる全国大会に出品される。

 広畑会長は15年前からワナや銃猟の免許を取り、竹田市内などでイノシシやシカ、キジなどの猟をしてきた。「ほとんどのハンターは有害鳥獣駆除のためにがんばっている。その肉の持ち味を生かした料理を作ることは供養になる」とジビエ料理に込めた思いを話す。

 金賞の受賞については「こうすればシカ肉がおいしく食べられる」と満足そうに語った。

 県によると、23年度の鳥獣被害額は約1億4千万円で過去最低に。20年度のイノシシとシカの捕獲頭数は全国2位の約8万頭だったという。一方で県内の狩猟免許所持者数は16年前から横ばい状態。7割は60代以上で高齢化も目立つ。

 県「森との共生推進室」の山田昭彦主幹は「若者や、まだまだ少ない女性猟師の掘り起こしが必要だ」と話す。OLHCの設立を呼びかけたのも県という。「捕獲した生き物の命をムダにしないよう、ジビエのさらなる活用が必要」(徳山徹)

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